三重県の県花


三重県の県花は「花菖蒲(ハナショウブ)」

梅雨の頃、雨の中でもしっとりと花を咲かせる「花菖蒲(ハナショウブ)」が三重県の県の花で、昭和44年に指定されたんだ。花菖蒲の花は、真っ直ぐに伸びた茎の先端に、大きめの花びらが垂れるように開く、アヤメに似た花だよ。

今では、白色や紫色、薄紅色など、可憐な色合いや八重咲きなど豊富なバリエーションがある花菖蒲だけれど、もとは野山にひっそりと咲いていた素朴な紫色の「野花菖蒲」で、江戸時代後期に日本で盛んに改良されて今の姿の花が多く見られるようになったんだ。

三重県内では、主に桑名市の九華公園や伊勢神宮の勾玉池、そして古書に「紫の雲がたなびくように、たいへん美しい眺めで、伊勢参宮客の目を楽しませた」と記されているように、古くは一面に群生していたとされる明和町の斎王の森で楽しむことができるぞ。斎王の森の花菖蒲は、濃い紫色でどっしりと美しく、昭和11(1936)年12月16日には国の天然記念物に指定されているんだ。