愛知県の県花は「カキツバタ」
昭和37年以来、花卉の生産額が連続52年も連続日本一を誇る愛知県は、「県は公共施設や日常生活において花きの活用に努めること」と法律で定めるなど、とても花き産業が盛んだぞ。そんな愛知県の県の花として昭和29年に指定されたのは「カキツバタ」。
古く、「伊勢物語」で、在原業平が東国に向けて旅をする道中に、川のほとりに咲いていたカキツバタの美しさに惹かれて、句の初めに「カキツバタ」を置いた「唐衣きつつなれにし妻しあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ」と旅の心を詠んだのは、今の知立市八橋だと伝えられているよ。
また、NHKが放送開始30周年を記念して行った、全国都道府県の「郷土の花」を公募で選ぶ事業によって選ばれたこともきっかけとなったんだ。現在、園芸採取や自生地の生育条件の変化などによって、環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種とされている「カキツバタ」だけれど、愛知県刈谷市にある小堤西池は、日本三大カキツバタ自生地のひとつなんだ。